【宮城県】鳴子温泉郷鬼首の地獄谷遊歩道の所要時間や見どころは?実際に訪れてみた!かんけつ泉や温泉玉子の所要時間、冬の閉鎖期間、口コミやレビュー、アクセスや駐車場情報を解説【大崎市】

鳴子温泉郷の奥座敷・鬼首(おにこうべ)へ向かう道は、いつ訪れても不思議な高揚感がある。古川から国道47号線を西へ、鳴子温泉街を抜けて国道108号線へ入ると、景色は一気に山の表情を帯び、火山地帯へ踏み込んでいく気配が濃くなる。道路脇には湯気が立ちのぼる場所が点在し、硫黄の匂いが風に混じる。鳴子は“歩く温泉地帯”と呼ばれるほど地熱活動が活発だが、鬼首に近づくほどその鼓動が強くなる。
今回の目的地は、鬼首の名所「地獄谷遊歩道」。吹上沢に沿って温泉が自噴し、大小の間欠泉が湯煙を上げる、まさに“火山の生きている姿”を間近で感じられる場所だ。全長約1km、所要時間は30分ほど。短い距離ながら、火山地形の迫力と温泉の匂い、湯気の熱気が全身を包み込み、歩くだけで自然の力に触れられる。
鬼首は、鳴子温泉郷の中でも特に自然の荒々しさが残る地域だ。かんけつ泉では熱湯が20m近く噴き上がり、地獄谷では80度の温泉が地面から湧き出す。温泉街の穏やかな湯治文化とは対照的に、ここでは“火山の息づかい”がむき出しのまま残っている。鳴子温泉郷の旅は、湯に浸かるだけでは終わらない。山へ向かう道を歩くことで、土地の成り立ちや自然の力を肌で感じることができる。
春から秋にかけての鬼首は、緑と湯気が混じり合う独特の景観が広がる。冬は積雪で閉鎖されるため、歩ける季節は限られている。だからこそ、雪解けの季節に訪れると、地熱で湯気が立ち上る谷の風景がいっそう印象的に映る。鳴子温泉郷の旅は、温泉だけでなく、火山とともに生きてきた土地の記憶をたどる旅でもある。鬼首へ向かう道のりは、その入口に立つような時間だ。
目次
地獄谷遊歩道とは?

地獄谷遊歩道は、鬼首の自然を最もダイレクトに感じられる場所だ。吹上沢に沿って整備された全長約1kmの遊歩道は、往復30分ほどの短い散策路だが、歩き始めてすぐに“普通のハイキングとは違う世界”に足を踏み入れたことがわかる。遊歩道のすぐ脇から80度近い温泉が噴き出し、湯気が白く立ちこめ、硫黄の匂いが風に混じる。地面の下で火山が呼吸しているような、独特の緊張感が漂う。
道沿いには、名前のついた間欠泉や湧出口が点在する。「紫地獄」は湯気が絶えず立ちのぼる名所で、石組みの隙間から熱湯が噴き出す様子は迫力満点だ。「卵湯」では温泉卵を作ることができ、10〜15分ほど湯に浸すと、ほんのり硫黄の香りがする柔らかい温泉卵が出来上がる。昔の人々はこの湯で米を炊いたり、山菜のあく抜きをしたりと、温泉を生活に活用していたという。地獄谷を歩くと、温泉が“暮らしの一部”だった時代の記憶が自然と浮かび上がる。
「まんだら地獄」は運が良ければ噴き上がる間欠泉で、湯が吹き出す瞬間に立ち会えると、まるで地面が生きているような感覚に包まれる。谷の奥へ進むほど湯気は濃くなり、木々の間から差し込む光が白い蒸気に反射して幻想的な景色をつくる。鳴子温泉郷の中でも、これほど“火山の力”を間近で感じられる場所は他にない。
ただし、地獄谷遊歩道は魅力と同じくらい注意点も多い。木道は濡れると滑りやすく、湯気で視界が悪くなる場所もある。遊歩道のすぐ脇で熱湯が噴き出しているため、立ち入り禁止エリアには絶対に入らないこと。熊の目撃情報もあるため、季節によっては鈴を持つなどの対策も必要だ。自然の力を体感できる場所だからこそ、慎重に歩きたい。
地獄谷遊歩道は、鳴子温泉郷の“火山の記憶”を歩いてたどることができる貴重な場所だ。湯気、匂い、音、熱──五感すべてで自然を感じる体験は、温泉に浸かるだけでは味わえない深い余韻を残す。
【重要】地獄谷遊歩道は全面通行止め中(令和7年2月1日〜令和7年11月予定)
地獄谷遊歩道は現在、復旧工事のため全面通行止めとなっている。令和6年7月の豪雨で、遊歩道の橋が流出し、斜面が崩落し、木道や地盤が大きく損傷した。自然の力がむき出しの地獄谷では、ひとたび大雨が降ると地形が大きく変わることがある。今回の被害は広範囲に及び、安全確保のため長期的な復旧工事が必要となった。
通行止め期間は 令和7年2月1日〜令和7年11月(予定)。工事の進捗によっては延長される可能性もあり、最新情報は宮城県観光戦略課の公式サイトで確認する必要がある。地獄谷遊歩道は冬季も積雪により自然閉鎖されるため、実質的に歩けるのは春から秋の限られた期間だけだ。訪れる予定がある人は、事前の情報収集が欠かせない。
通行止めとはいえ、鬼首の魅力が失われたわけではない。すぐ近くの「鬼首かんけつ泉」では、15〜20分ごとに熱湯が噴き上がる迫力の間欠泉を見られ、温泉卵づくりも楽しめる。潟沼のエメラルドグリーンの湖面や、川渡温泉共同浴場のうぐいす色の硫黄泉など、周辺には立ち寄りたいスポットが多い。地獄谷が歩けない期間でも、鳴子温泉郷の旅は十分に深い。
地獄谷遊歩道の見どころ
地獄谷遊歩道を歩くと、まず驚かされるのは“距離の短さに対して、体験の密度が異常に濃い”ということだ。全長1kmほどの道のりに、火山の息づかいがこれでもかと詰め込まれている。歩き始めて数分で、谷の空気が変わる。木々の間から白い湯気が立ちのぼり、硫黄の匂いが風に混じり、足元の木道がほんのり温かい。地面の下で熱が動いているのが、肌でわかった。
最初に現れる名所が「紫地獄」。石組みの隙間から湯が噴き出し、絶えず湯気が立ちこめている。なぜ紫なのかは定かではないが、仏教で“極楽には紫雲がたなびく”とされることから、この湯気を極楽に見立てたのではないかとも思った。湯気が陽光を受けて揺らめく様子は、確かにどこか神秘的だ。
そのすぐ先にあるのが「卵湯」。ここでは温泉卵を作ることができる。生卵をネットに入れて湯に沈め、10〜15分ほど待つと、ほんのり硫黄の香りがする柔らかい温泉卵が完成する。昔の人々はこの湯で米を炊いたり、山菜のあく抜きをしたりと、温泉を生活に活用していたという。地獄谷を歩くと、温泉が“観光資源”になる前の、生活の道具だった時代の記憶が自然と浮かび上がる。
さらに奥へ進むと「まんだら地獄」がある。ここは運が良ければ湯が噴き上がる間欠泉で、吹き出す瞬間に立ち会えると、まるで地面が生きているような感覚に包まれる。湯気が濃く、木々の葉の隙間から差し込む光が白い蒸気に反射して、幻想的な景色をつくる。谷の奥へ進むほど、自然の力がむき出しになっていく。
ただし、魅力と同じくらい注意点も多い。木道は濡れると滑りやすく、湯気で視界が悪くなる場所もある。遊歩道のすぐ脇で80度の熱湯が噴き出しているため、立ち入り禁止エリアには絶対に入らないこと。熊の目撃情報もあるため、季節によっては鈴を持つなどの対策も必要だ。
地獄谷遊歩道は、火山の力を“見る”だけでなく、“匂い・音・熱・湿度”として全身で感じる場所だ。鳴子温泉郷の旅の中でも、ここほど自然の鼓動を近くに感じられる場所はない。
鬼首かんけつ泉と温泉玉子の所要時間

地獄谷遊歩道と並んで、鬼首を代表する名所が「鬼首かんけつ泉」だ。ここでは「弁天」と「雲竜」という二つの間欠泉が定期的に噴き上がる。弁天は約15分ごとに20m近く熱湯を吹き上げ、雲竜は約20分ごとに2mほどの高さで噴出する。噴き上がる瞬間は、まるで地面が息をしているようで、見ているだけで胸が高鳴る。
かんけつ泉の魅力は、ただ見るだけでは終わらない。ここでは温泉玉子を作ることができる。売店で生卵を購入し、専用の湯だまりに沈めて10〜15分ほど待つと、ほんのり硫黄の香りがする温泉玉子が出来上がる。地獄谷の卵湯とはまた違う、かんけつ泉ならではの味わいだ。湯気の中で待つ時間も含めて、火山の恵みを“味わう”体験になる。
地獄谷遊歩道を歩いていると、名前のついた湧出口がいくつもあったが。 その中でも特に印象的なのが 「人追い地獄」 だった。
「人追い地獄」という名は、ただ恐ろしげな響きのためにつけられたわけではない。 鬼首には古くから、蝦夷の頭領・大竹丸(大武丸)にまつわる伝説が残っていると聞いた。 坂上田村麻呂に追われた大竹丸が、この谷を逃げ惑ったという物語だ。 その伝承と、湯が激しく噴き上がる様子が重なり、 “人を寄せつけないほど激しく湧き出す湯” という意味で「人追い地獄」と呼ばれるようになったのだろうか。
敷地内には「かんけつ泉食堂」もあり、地元の食材を使った料理を楽しめる。鳴子のしそ巻やばっけ味噌、笹巻おこわ、温泉玉子──どれも火山の恵みとともに生きてきた土地の味だ。地獄谷を歩いたあとにここで食事をすると、身体の奥に残った硫黄の香りと食べ物の温かさが混ざり合い、旅の余韻が深まる。
アクセスと季節の注意点
鬼首へ向かうには、まず鳴子温泉郷を通る。古川ICから国道47号線を西へ進み、鳴子温泉街を抜けて国道108号線へ入ると、鬼首の山間部へ向かう道が続く。鳴子温泉街から鬼首までは車で約30分。道中には湯気が立ちのぼる場所が点在し、火山地帯へ入っていく実感が湧いてくる。
公共交通機関を利用する場合は、JR陸羽東線で鳴子温泉駅へ向かい、そこから市営バスで「かんけつ泉前」停留所まで行く。バスを降りると、かんけつ泉までは徒歩数分。地獄谷遊歩道へも歩いて行ける距離だが、現在は通行止めのため立ち入ることはできない。
鬼首を訪れる際に最も重要なのは“季節の注意点”だ。地獄谷遊歩道は冬季、積雪により自然閉鎖される。雪が深く、木道が埋まり、湯気で視界が悪くなるため、歩くことはできない。春の雪解け後に開通し、秋の終わりに閉鎖されるのが例年の流れだ。
また、鬼首は山間部のため天候が変わりやすい。雨の日は木道が滑りやすく、湯気で視界が悪くなる。熊の目撃情報もあるため、春〜秋に訪れる際は注意が必要だ。自然の力を間近で感じられる場所だからこそ、安全に歩くための準備が欠かせない。
口コミ・レビューから見える地獄谷遊歩道の魅力
地獄谷遊歩道は、実際に歩いた人の口コミを読むと、その魅力がより立体的に浮かび上がる。多くの人が口をそろえて語るのは、「迫力が想像以上だった」という感想だった。登別や箱根の地獄谷を訪れた経験がある人でさえ、「鬼首の地獄谷は間近で見られる距離感がすごい」と驚く。遊歩道のすぐ脇で80度の温泉が噴き出し、湯気が白く立ちこめ、硫黄の匂いが風に混じる自然との近さが、他の温泉地にはない体験を生むのだろう。
口コミの中には、「朝早く行くと人が少なく、湯気が朝日に照らされて幻想的だった」という声もある。谷に差し込む光が湯気に反射し、白い霧のように揺らめく景色は、まるで異世界に迷い込んだようだという。逆に、外国人観光客が多い時間帯は混雑することもあり、歩くペースがゆっくりになるという意見も見られる。
「木道が整備されていて歩きやすい」という声がある一方で、「雨の日は滑りやすい」「湯気で視界が悪くなる場所がある」という注意点も多い。冬季は凍結の心配があり、積雪で自然閉鎖されるため、訪れる季節によって体験が大きく変わる。口コミには「冬でも歩けると思って行ったら閉鎖されていた」という声もあり、事前の情報確認が重要だとわかる。
間欠泉については、「運が良ければ噴き上がる瞬間に出会える」「しばらく待ったけれど見られなかった」という両方の声がある。自然現象である以上、必ず見られるわけではないが、その待つ時間も含めて地獄谷の魅力だと語る人もいるようだ。
周辺のおすすめ観光スポット
鬼首の地獄谷遊歩道を訪れたなら、周辺の鳴子温泉郷にもぜひ足を伸ばしたい。ここは火山の恵みと人の暮らしが重なり合う土地で、どこへ向かっても“鳴子らしさ”に出会える。
まず立ち寄りたいのが、川渡温泉の中心にある「川渡温泉共同浴場」。大人300円という昔ながらの料金で、湯治文化がそのまま残る素朴な共同湯だ。湯船に満ちるうぐいす色の硫黄泉は、肌に柔らかく、湯面から立ちのぼる香りが旅の疲れを静かにほどいてくれる。観光地の温泉とは違い、地元の人々が日常的に通う“生活の湯”で、鳴子の素顔に触れられる場所だ。
甘味を求めるなら、鳴子温泉駅近くの名物「深瀬の栗だんご」がおすすめ。柔らかい餅の中に大きな栗がごろりと入り、素朴で優しい甘さが広がる。春の大崎らしい味として、しそ巻やばっけ味噌も並び、どれも家庭の台所から生まれたような温かさがある。菜の花フェスティバルの素朴さと同じく、ここにも“土地の季節”がそのまま息づいている。
鳴子といえばこけし。最近人気なのが、川渡温泉からほど近い「cafegutto(カフェグット)」で体験できる“食べられるこけし最中”の絵付けだ。こけし型の最中に自分で絵を描き、そのまま食べられるというユニークな体験で、旅の記念にもなる。より伝統的な木地こけしの絵付けを楽しみたいなら、日本こけし館や岩下こけし資料館へ向かうとよい。工人の技を間近で見ながら、自分だけの鳴子こけしを作る時間は、土地の文化に深く触れるひとときになる。
自然の景観を求めるなら、東鳴子の奥にある火山湖・潟沼(かたぬま)が外せない。季節や天候によって湖面の色が変わり、春は特に透明感のあるエメラルドグリーンが広がる。風が止むと湖面が鏡のように空を映し、地獄谷の荒々しさとはまったく違う“静かな火山の表情”に出会える。
鳴子温泉郷は、火山の力と人の暮らしが共存してきた土地だ。地獄谷の迫力を味わったあとに周辺を歩くと、火山の恵みがどれほど生活に根づいてきたかが自然と見えてくる。
まとめ
鳴子温泉郷・鬼首の地獄谷遊歩道を歩く旅は、単なる観光ではなく、“火山とともに生きる土地の記憶”に触れる体験だ。吹上沢沿いに湯気が立ちこめ、80度の温泉が地面から噴き出し、硫黄の匂いが風に混じる。その景色は、自然の力がむき出しのまま残る、まさに“歩く温泉地帯”そのものだ。
紫地獄、卵湯、まんだら地獄。どの湧出口にも名前があり、昔の人々が温泉を生活に活用していた痕跡が残る。温泉卵を作る時間、湯気の中を歩く時間、間欠泉を待つ時間──そのすべてが、火山とともに暮らしてきた人々の歴史と重なる。
現在、地獄谷遊歩道は豪雨災害の影響で通行止めとなっているが、鬼首の魅力が失われたわけではない。かんけつ泉の噴き上がる熱湯、潟沼のエメラルドグリーン、川渡温泉のうぐいす色の湯、深瀬の栗だんご、こけしの絵付け──どれも火山の恵みと人の暮らしが重なり合って生まれた文化だ。
鳴子温泉郷の旅は、温泉に浸かるだけでは終わらない。山へ向かう道を歩き、湯気の立つ谷を眺め、地熱の匂いを吸い込み、土地の味を食べ、手仕事に触れる──そのすべてが“火山とともに生きる土地の物語”を体験することにつながる。
地獄谷遊歩道が再び歩けるようになったとき、きっとこの谷はまた新しい姿を見せてくれるだろう。自然は変わり続ける。だからこそ、鳴子温泉郷の旅は何度訪れても新しい発見がある。火山の息づかいと人の暮らしが重なるこの土地で、あなた自身の“旅の記憶”を重ねてほしい。
投稿者プロ フィール

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地域伝統文化ディレクター
宮城県出身。京都にて老舗和菓子屋に勤める傍ら、茶道・華道の家元や伝統工芸の職人に師事。
地域観光や伝統文化のPR業務に従事。
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